12月は何個か出会い厨をしたのでした。この人もまたいい思い出。
 美人だったよなあ。

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 占いオフをやりましてん。
 本当に良かったなあ。相変わらず美女が来るのが不思議。
 とはいえ、少々潔癖症だったらしく、また性欲が根本的に少ないとの事。出会い厨ですよとアナウンスしたのだが、やはり最初は警戒していた。

 コートを脱がず、荷物を膝の上に置きつつ紅茶を子指立て上品に飲む。お嬢様という感じ。
 固い……断固心を開くものか、出会い厨なんぞに! という気配の強い事強い事!

 だが、会話しているうちに「昔、好きなバンドがいてファンだった話」になるとノって来てくれて、いろいろ示唆的で印象深いイイ話しをしだすと、めにみえて警戒が減っていく。

 人は好きな物の話をすると雰囲気が柔らかくなるんだなあという実感……。
 セミロングの髪にシャープな輪郭、知的な睫毛がかわいい。

「バンドのファンで、本当に好きで追いかけていたけれど、だんだんファン同士の距離やミュージシャンとの距離が近くなり過ぎて、内輪になっていって、それが煩わしくなったりして結局ある日を境にライブに行かなくなってしまった」

 と話す。
 でも、彼らの音楽は今も彼女の心の中で鳴る時がある。
 音楽は永遠になったのに、そのバンドはいまだ、続けるか辞めるかの瀬戸際を低空飛行している。

 その女の子はファンである事をやめて、いまぽっかりと空洞になっているところだったらしい。
 でも話していると、その空洞になった自分に焦れたり苦しむ事もなく、むしろ安定しているように見える。

 「歳なんですかね」

 と知的に笑う女の子。
 男にも、音楽にも、セックスにも仕事にも勉強にも熱くはなれない。
 でも、熱くなれなくても、美味しく上品に、紅茶を飲む事が出来る。
 人間はそうか、それでも幸せに、安定して生きることは、生きのびることは出来るんだなあと思った。

  この女子と、いかにセックスをするか。

 楽しく話しが出来たし、占いも披露したし、手ごたえはある。
 でも本質的にセックスであるとか、もっといえば熱を欲しない、必要としない女の子相手に、セックスをしていいのだろうか。
 私のセックスしたい欲は、彼女にプラスになる事はあるのだろうか。

 もう一度、会ってみたいが、どんな戦略が、どんな闘い方がありなのか、本当いろいろ考えたい。

 いやあしかし、いい女の子だったなあ。
 出会う女の子全てが楽しいし可愛くてならない。がんばりたい。もっとよい出会い厨に、もっと楽しく、もっと女の子にもプラスになるような、そんないい出会い厨に本気でなりたい。